記述式テストの代わりに「自由研究」を中学・高校にも復活させよう

2020年度から始まる、大学共通テストへの「記述式試験」の採用がすべて見送られることとなった。11月の英語に続けて、国語・数学の中止も決定した。

見送られた理由としては、都市部と地方の格差が大きいとか、文科相が身の丈に合わせて受験しろと言ったとか、採点を未熟なアルバイトにさせるつもりだったとか、英語試験を民間委託した運営元がそれを売りにして試験対策を営業してたとか、いろいろ言われている。(詳しくは記事下部のリンクから)

ともかく、とても無理がある方策だったようである。

 

そもそも、この記述式試験は従来のマークシート方式では測れない「思考力・判断力・表現力」を測ろうという目的だった。( 共通テスト記述式、見送り表明 「まっさらな状態から」:朝日新聞デジタル 

ここでいう「思考力・判断力・表現力」は、多分クリエイティビティ、つまり創造力と同義だろう。それは確かに、選択問題では測れないかもしれない。

 

散々言われている通り、日本の義務教育制度は画一的である。もちろん、そのおかげで落ちこぼれが少なく、充実している面もあるとは思うが、多様化が求められる時代をそぐわないということだろう。

創造力を伸ばすことは大切である。

 

では、記述式の共通テストなら創造力を測れるのかと言えば、僕は決してそうとも思わない。

というのも、答えがどうあがいても「用意されて」しまうからだ。

50万人の答案を、複数の採点者が公平に処理するためには、客観的な採点基準を作る必要がある。つまり、どちらにしろ、答えを絞り込み、前もって予想できるような設問をつくる必要がある。

 

答えが用意されたテストで高得点を取るのは誰か。

その用意された答えにたどり着ける人である。至極当然だ。

 

でも、それって「創造力」と言えるのだろうか。

 

解答欄の自由度が、ほんの少し上がっただけのことを「創造力」と言うなら、この世にはアーティストだらけである。

記述式のテストで測れるのも、結局のところマークシート式と変わらず、「用意された答えにたどり着く能力」ではないだろうか。

 

僕の肌感覚だが、マークシート式の実力と記述式の実力は相関関係にある。

マークシート式で高得点を取れる人は、自ずと記述式でも変わらず高い点数を取れる。逆も然り。

つまり、マークシート式で低い点しか取れない人が、記述式では高い点数を取れるなんてことは、まああり得ない。

 

「記述式を導入すれば、これまでマークシート式では測れなかった才能が~」とか信じてるなら、それは方向を間違ってる。

それなら、大学の推薦入試枠を増やした方がよっぽど効果が出るだろう。

 

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じゃあ、創造力を伸ばすためにはどうすればいいか。

僕が提案したいのは「自由研究」の中学・高校での復活である。

 

小学校の夏休みにやった、あの自由研究だ。

 

テーマは基本何でもありで、一人でやっても、グループでやっても構わない。

クラスや学年単位で、先生が一つないし複数、お題を決めてもいいだろう。

 

一学期に一回くらいの頻度で、人前で成果を発表する機会を設ける。

発表に向かないものであれば、先生がチェックするか、展示してみんなに見てもらうようにする。

 

何かを研究したというなら、今の学生はスマートフォンという超ハイテクデバイスをみんな持っているから、写真や動画、エフェクトを駆使したプレゼンができるはずだ。

何ならスマホで動画を撮ってそれを流してもいいだろう。映画、ダンス、音楽、なんでもありだ。絵本、漫画、一枚絵、小説でもいい。

工作系も、今やYouTubeにアイデアがゴロゴロと転がっている。高校生がそれらを駆使して本気で貯金箱を作れば、小学生には想像もつかない貯金箱が出来上がるだろう。

今流行りのプログラミングでゲームを作ってもいい。

 

大事なのは「自発的にやった」という点にある。

Youtubeに既にあるアイデアのパクリだろうが、星の数ある動画の中からそれを選んだわけだ。そこには、何か理由がある。

 

また、誰かが既にしたことを再現しようとしても、普通一筋縄ではいかない。やり方を自分で工夫する必要が出てくる。

 

「自分は何故それを選んだのか」と「選んだものを実現するためにはどうすればいいのか」、と考えることこそ、創造力を鍛える最高のトレーニングではないだろうか。

自由研究には、それが詰まっている。

 

上の二つに加え、

「どうなると予想したのか」「実際やってみたらどうだったか」「なぜ成功/失敗したのか」「改善するならどうするか」「次は何をしたいか」

というような問いを、生徒に投げ掛けるようにすれば、論理性も養われていく。

 

 

僕は、入試に偏重している学校の授業があまり好きではない。高1から3年間受験対策をさせる進学校とか、愚の骨頂だと思っている。

暗記偏重の入試から抜け出す必要があるのは確かだ。

だが、記述式を導入すればそれが解決できるかと言えば決してそれはない。マークシート式と本質は変わってないのだから。

 

もし本当に思考力・判断力・表現力を成長させたいなら、自由研究くらい自由な課題を与えて、自発的にやらせないと人は成長しないと思う。

その中で、創造力に優れてる人が頭角を現したなら、推薦入試で受け入れるようなシステムにすればいいんじゃないか。

 

自由研究。

何で小学生までしかないのか、不思議である。中学生・高校生にこそやらせるべきものじゃないだろうか。

 

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詳しく知りたい方は、こちら。

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